喫茶店で男が1人、レースのチャンネルを見て盛り上がっていた。
すると、帽子を被った赤髪の男が隣に座ってこう呟いた。
「137」
レースが始まりテレビの中でレーサーが次々と飛び立った。
ゴールのピストル音と同時に男は驚いた。
彼が言ったレースの順位がピッタリ当っていたのだ。
そして彼に聞いた。
凄いじゃないか!もしかして貴方もレースがお好きで?と問い掛ける。
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現実的で非現実的な短編小説を書きました。
ブログタイトルの都合で未来人と略しましたがタイトルはコチラ。
もしも未来から来た人に
レースの結果を教えて貰ったら…
現代的な内容で書くのもアレなので、若干世界観を自分のものにしてみました。
それでは続きをお楽しみ下さい。
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「もしかして貴方もレースがお好きで?」
そう男に問いかけると帽子の男は答えた。
「私にはレースの結果が分かるのさ、もちろん次のレースの事もね。」
男は興味が湧いてきてすかさず尋ねた。
「教えてくれ、来週のレースの順位を!」
帽子の男は承諾したが、条件を持ちかけてきた。
結果を知りたいなら金を払うんだ。
もちろん当たった時にで構わないが。と、言われ男は交渉を呑む。
前払いで5万、当たれば当選額の半分を分け前として渡す。
仮に100万だった場合、事前に払った5万を差し引いても45万は手元に残るのさ。
そして翌週、レース前日に男から教えて貰った(283)のチケットを持った男が笑顔で男に声をかける。
50万を手渡され、帽子の男はこういった。
ツイてたな、だがもう賭博なんてやめるんだな。明日のレースを最後に俺は足を洗うぜ。
どうだ、お前も辞めないか?
男は断った。
だが次のレースの順位を伺った。
案の定、帽子の男は断った。
しかし金を払えば、新たな条件付きでなら2着までなら教えてやると言った。
帽子の男は続けてこう付け加えた。
「自分が決めた順位に全賭けするんだ。そうすれば教えてやる。
お前が決めるんだ、もちろん分け前はいらねえよ。」
男は金を払って聞いた。
帽子の男は二位までの順位を言い、男に三位の予想を伺った。
男が色々悩んだ結果これだと言うと男は静かに頷き、「結果を楽しみにしてるよ。」と一言言ってその場を去る…
しかし男は思い立った様子で
「待ってくれよ!」と声をかけようとした瞬間、帽子の男が1枚の紙切れを落とすのを見てしまう。
男はそれを教えようと思ったが拾ってしまい中を見てしまった。
大穴だ…。
それは次のレースの結果が書かれたチケットだった。
男は周りを見渡し、誰も見てないのを確認すると胸ポケットにしまう。
レース当日。
会場席にいる男。
帽子の男の姿は無かったがそんな事気にならなかった。
帽子の男が整理券カウンターの奥に居るのにも気付いてはいなかった。
なぜなら今日から億万長者になれるのを確信してるからだ。
レース終了後静まり返った会場に放心状態の男が居た。
ビリビリに引き裂かれ、クシャクシャに丸めたチケットを握りしめて。
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後日談は記事の一番最後へ!
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帽子の男は笑っていた。
「クックック…馬鹿な奴、未来が分かれば苦労しないぜ。なぁ?」
帽子の男はレースに参加したレーサーと会話していたのだ。
「お前も卑怯だよな、オーナーは買えないからって、レースの正確な順位予想を教えて買わせてるんだからな。」
帽子の男はレース直前のレーサーのコンディションや事前練習から割り出した順位を人に教えては分け前を貰って稼いでいた。
仮に外したのならただのレース好きを装えば良いだけで、その後カモが乗ったのなら取引を持ちかけるのだ。
そして1度目は正確な順位予想を教えて分け前を貰う。
2度目の順位予想は関係無い。これ以上はオーナーとしての不利益が勝ってしまうので逢えて外させるのが彼の決まりだったという訳なのだ。
「まぁ、俺が金に困っている訳では無いんだよ?こういうギャンブルの沼にハマってる人に賭け事の怖さでも分かってもらおうと思って遊んでるだけさ。」
そうして2人は笑いながら行き付けの酒場へと向かって行った。